株式価値の評価法Ⅱ 

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知的資産経営

知っておきたいポイント

株式価値の評価法Ⅱ

米国のDCF法による株式価値の評価

DCF法は、収益資産の価値を評価する方法の一つです。この評価方法の本質は、ある収益資産を持ち続けた時、それが生み出すキャッシュフローの割引現在価値をもって、その価格とすることにあります。ここでは代表的な手法としてエンタプライズDCF法を紹介します。
エンタプライズDCF法とは、信頼性の高い業績予測(5年程度)を対象会社から提出してもらい、提出された業績予測及び経営陣へのヒアリング・関連証憑等に基づき債権者と株主に分配可能なキャッシュフローを各年毎に計算し、それらを適切なディスカウント・レートで割引き、企業価値を算定する手法です。

参考文献:デラウェア州の裁判所における
DCF法による株式価値評価の審査基準(吉村一男 著)

DCF
評価による株式価値評価手順


計算式

Step1

FCF=税引後営業利益(NOPAT){利払前税引前利益(EBIT)×(1-実効税率)}}+減価償却費-設備投資-運転資本の増減
 
Step2
WACC=株主資本コスト×株主資本/(株主資本+有利子負債)+負債コスト×(1-実効税率)×有利子負債/(株主資本+有利子負債)
 
Step3
事業価値=1期目のFCF/(1+WACC)+2期目のFCF/(1+WACC2+3期目のFCF/(1+WACC3+・・・・+n期目のFCF/(1+WACCn TV/(1+WACCn
Step4
株式価値=企業価値{事業価値+非事業用資産(現預貯金、有価証券、遊休不動産等)}-有利子負債-少数株主持分
 
※評価に当たって注意すべき点は、割引率(WACC)及び事業計画終了時点の残存価値(TV)である。
 すなわち、割引率は上がれば評価が下がり、下げれば評価が上がる。また、TVは全体の事業価値に占める割合が高いことから、捉え方次第で事業価値、つまり株式価値の評価が変わる。
 そのため、米国の裁判所でも以上2点は厳格に審査する傾向にある。
 
用語解説
 
<割引率(WACC)>
割引率とは投資家が対象会社に期待する利回り(債権者の期待リターン=負債コスト+株主の期待リターン=株主資本コスト)を時価ベースの資本構成比率で加重平均した加重平均資本コスト(WeightedAverageCostofCapital)ある。
 投資家が対象会社に期待するリターンは、最低限、安全な投資である国債の利回りと同じリターンを期待した上で、株式市場全体と比較した対象会社のリスクの度合いに応じたリターンを期待するケースが多い。
 資本構成は、原則として、対象会社が長期的に収束すると予測する目標の資本構成を使用するが、当該予測が困難な場合、実務上、類似会社から推定した業界の平均資本構成を使用する。
FCFおよび事業計画終了時の残存価値(TV)>
TVは理論上、各種推定方法があるが、代表的な方法を下記に記す。
 ①永久成長率法(PerpetuityAssumptionMethod
  永久成長率法は、予測機関最終年度の標準化されたFCFが一定の成長率をもって永久に持続すると仮定する方法である。
 ②マルチプル法(MultipleMethod
  マルチプル法は、予測期間終了時点における対象会社の業績予想指標に、類似会社の事業価値を業績指標で除したマルチプルを乗じることにより、予測終了時点の対象会社の事業価値を求め、TVとする方法である。つまり、対象会社を仮に売却したらいくらになるか、という計算方法である。

株式価値の評価法Ⅲに続く